テクニカルノート > 地上デジタル放送 > 各国のデジタル放送化の歴史と現状
日本におけるデジタル放送は、1996年に欧州DVB(Digital Video Broadcasting)方式をベースとしたCS(Communication Satellite)デジタル放送より開始されました。 続いて、2000年12月にBS(Broadcasting Satellite)デジタル放送が開始されています。 両サービスは、110度CS打ち上げにより2002年3月からアンテナの共用化が可能になりました。 CATVデジタル放送は1998年より開始されています。 2003年12月から東京、近畿、中京圏で始まった地上デジタル放送は、デジタル技術に関して、BSデジタル放送が一部試験的要素を含んでいました。 地上デジタル放送は現在の地上波アナログ放送を全面的に置き換えられる放送形態であり、2011年7月にアナログからの全面置き換えが予定されています。
現行TV放送は、占有帯域幅が大きいため、隣接チャネル間で干渉が発生します。(表1) また、同一電波を時間差ありで受信すると、画像が重なるゴーストが発生します。 これらの問題をデジタル化することで解決します。 また、隣接地域で同一周波数が使えず、周波数の利用効率が悪いという問題もあります。(図1)
| チャネル | 周波数(MHz) |
|---|---|
| 1 | 90-96 |
| 2 | 96-102 |
| 3 | 102-108 |
| 4 | 170-176 |
| 5 | 176-182 |
| 6 | 182-188 |
| 7 | 188-194 |
| 8 | 192-198 |
| 9 | 198-204 |
| 10 | 204-210 |
| 11 | 210-216 |
| 12 | 216-222 |
図1:現行TV放送の周波数帯域と使用地域の模式図
欧州では1993年よりDVBにてデジタル放送に取り組みが始まり、ドイツ・フランス・イタリア・オランダ・ベルギーなどで1996年から衛星デジタル放送、翌年にCATVデジタル放送が開始されました。 地上波デジタル放送は1998年9月に英国で開始されています。 英国では同年10月に衛星デジタル放送、1999年7月にCATVデジタル放送も開始され、デジタル放送の開始はやや遅れたものの現在では他国に先んじ急速なデジタル放送普及が進んでおり、2001年のデジタル普及率は約35%となっています。 この内訳は、地上波が約15%、衛星が約65%、ケーブルが約20%となっています。
米国では1994年に衛星デジタル放送、1997年にCATVデジタル放送が開始され、1998年から地上デジタル放送が始まっています。 当初は立ち上がりがやや鈍かったものの、2000年になって高画質、大画面への関心が高まり、デジタルTV需要が増加しています。 CEA(全米家電協会)によるデジタル放送受信機の出荷は1998年1万4千台、1999年に12万台、2000年に63万台であり堅調に推移しています。
韓国でも2001年10月よりソウル首都圏で地上波テレビのデジタル放送が始まりました。 2003年に釜山、仁川、光州などの広域市で、2005年には全国で始まりました。
以上のように世界的にTVの主流は今後アナログからデジタルに徐々に移行していきます。 TVのデジタル化によりTV、PC、PDA、携帯電話、カーナビゲーション・ITSなどが融合することにより今後益々我々の生活に浸透し便利な社会になっていくことが期待できます。