シンボル長T区間で、整数周期の正弦波を考えると、周波数nf0の正弦波ができます。 これが、OFDMのキャリアとなります。
図8:OFDMのキャリアである正弦波
m,nを整数、T=1/f0とすると、図9のように正弦波の直交関係が成立します。
図9:正弦波の直交関係
キャリア周波数nf0、シンボル長T = 1/f0のOFDMの基本構成要素は図10で表され、これが図11に示すOFDM信号の基本波形となります。 また、振幅と位相はデータにより変調されます。 基本構成要素の式で、nの値を変えることで様々な周期の基本波形ができます。 これらを同じタイミングでN個加えたものが、ベースバンドOFDM信号(図12、図13)です。 実際には、OFDMは周波数変換されて、搬送波帯域で伝送されます。この変換された信号をパスバンドOFDM信号といいます。
図10:OFDMの基本構成要素
図11:OFDM信号の基本波形
図12:ベースバンドOFDM信号の式
図13:ベースバンドOFDM信号の波形
さて、ベースバンドOFDM信号sB(t)から、図14の式によって、シンボル情報anとbnを得ることができます。 式では、正弦波の直交性を利用し各波形との相関を調べてシンボル情報を得ています。 実際には、DFTを用いて効率的に計算されます。 なお、式中のNは、LANなどでは64までの値が、テレビ放送では数千の値が使われます。
図14:シンボル抽出式
OFDMの各キャリアは、区間T(= 1/f0)、周波数(fc + kf0)の正弦波で、スペクトルは間隔f0で振動しています。 また、お互いにほかのキャリア周波数において大きさがゼロになります。(図15) OFDMでは、スペクトルが重なっているため、周波数帯域の有効利用が可能であるのが、通常のマルチキャリア変調方式とは異なるところです。(図16) また、OFDM電力スペクトルは、すべてのキャリアを並べたものになり、矩形に近くなるのでさらに周波数の利用効率が良くなります。(図17)
図15:OFDMのスペクトル
図16:通常のマルチキャリア変調との比較
図17:OFDMの電力スペクトル